どうぞのいす

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)
香山 美子
ひさかたチャイルド
売り上げランキング: 1,429

「わらしべ長者」の森の動物版みたいな話し。
じぶんも小さな頃大好きな本だった。
ぬりぬりタッチの画風、登場するうさぎやくまやきつねやりす、
なんといってもおとぼけなろばのずんぐりとした感じに
毛布にくるまれているようなあたたかさを感じていたのを覚えている。

どうぞのいす

これは、ある秋の午後の話しだったんだ、と気付く。
どんぐりも、はちみつも、焼き立てのパンも、くりも、
どれも秋の豊かな収穫。

そしてページをめくるごとに
影がながくのびて、
「これは秋の日ざし。」と今ならわかる。

昔、絵から感じていた豊かさは、
秋の季節のことだったんだね。まさに今。

うさぎさんがとんかちとんかち、と
しっぽ付きのイスを作りたくなってしまったのも
創作意欲かきたてられる秋のせいかしら。

「どうぞのいす」というネーミングも
わくわくしたもの。

大人になって読み返してみて、
よくできた本だな、としみじみ思う1册。
それを「よくできてる!」とかいう理屈なしに
感じ取ることができる子供時代が、
なにより貴重に思える。

娘の3才の誕生日プレゼントのひとつに選んだ。