ドオン!

ドオン! (日本傑作絵本シリーズ)
山下 洋輔
福音館書店
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フウタがやたらに気に入っている本である。
その気に入り方というのが、面白いもので、
一回読み終わっても、また、また、と
へたすれば一度に5,6回、繰り返し読まされることとなったり。

こどもたちが初めて読むこととなった長新太さんの絵本だ。
フウタの3歳の誕生日にいただいた。
(フウタの誕生日は節分なのでね。オニのコがいるでしょう!)

文は山下洋輔さん。世界規模で活躍するジャズピアニストの方である。
名作「もけら もけら」に続く2作目。
おはなしは、音を軸として進む。たとえば

「『やったな』
オニのこも たいこを たたきました。
ドンドコ ドンドン ドン!
ドコンコ ドンドン ドン!
ドコンコ ドンドン ドン!」

といったふうに、
たいこの音の描写が大半。
これは、声に出して読む方がたのしい絵本だろう、とストレートに思う。
フウタにとってちょっと難しいかな、と思われる絵本を読んであげるときは、
文章をわたしなりにかいつまんで読んでやることがあるけれども、
この『ドオン!』の中には、無駄と思われる文章はない気がする。
(このたるみがない、という部分はとても重要!)

お話だけをとると、ともすれば『音はひとの心をひとつにするよ』という、
わたしには少しくすぐったいテーマに帰するお話と捕らえられてしまいそうな
危ういライン。
そこへ、長新太さんの絵、である。

長さんの絵は「ナンセンス」といわれる。
その意味をわたしは「かべがない」ととらえる。
そして読み手自身も鎧を脱ぐ。
的確な意味を求めることに固執するしんどさから、解放される。
そう、それは「音」の受け止め方と似ている。

微妙なナンセンスのラインは、ちゃんと
長さんの引き算した部分もあって存在しているというところが、
はあ、もう天才だと思ってしまうのだ。
かっこいい。

おもしろいほどこの本を気に入っているフウタ。
でもどうやらフウタは、オニのコのおかあさんのおっぱいが
気に入っているようである…。
それが理由か?
まあいいか。